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2023年3月25日(土)「"海と生きる"連続水産セミナー第9シーズン3回目」が開催されました。

2023年4月 3日

 3月25日(土曜日)気仙沼市?東京海洋大学連携事業「"海と生きる"連続水産セミナー9thシーズン第3回目」が開催され、本学からは井関学長、婁副学長が参加されました。

講師は角上魚類株式会社 代表取締役社長(現会長)の栁下浩三様で、「たかが魚屋、されど魚屋~なぜ角上魚類は『魚離れ』の時代に支持されるのか~」をテーマにご講演をいただきました。

当日は、会場となった気仙沼市水産研修センターでの対面参加とオンラインでの参加を含め、計78名の方々に聴講いただきました。

栁下社長からは、昭和34年に網元兼卸売業の家業を継いでから現在に至るまで、時代が移り変わる中、「魚食への期待と欲求」に応えるため,「お客様に喜んでもらうにはどうすれば良いか」、また「遠くからわざわざ来てくれるお客様への感謝の気持ち」を大事にしてこれまでの経営展開についてお話ししていただきました。

その内容の一部を紹介すると、昭和40年頃にはスーパーが進出、魚を活きの良い状態で送ることができないかと考え、版熱材をヒントに蓋つきの発泡スチロールの箱を開発し、日本ではじめて発泡スチロールで魚の輸送を行った結果、鮮度、色持ちが良く価格は3倍になることもあり、漁業や小売業の発展を下支えした。その結果、その後魚の輸送は木箱から発泡スチロールへと転換された。

また、昭和48年には新潟にも大手スーパーが進出したが、テナント料が高く、昭和49年に独自店舗1号店となる「角上」を寺泊に建設した。わざわざ寺泊りに20~30分かけて魚を買いに来ていただいたことに喜び、お客様の期待に応えるよう一所懸命努力した。喜んで帰っていくお客さんの口コミで、「もの凄く良いさかな屋ができた」と評判になり、顧客も増えるようになった。

昭和50年に入ると、関越自動車道が開通したことを受けて、逆に来る客を待つのではなく、魚を関東へ持っていくことはどうかと考え、関東への出店を図った。はじめは、生魚は売れなかったが、対面販売で食べ方を紹介したり、、お客様のニーズに合わせてどのように調理したらおいしくなるかなどの調理法を伝えたりして、次第に生魚の方が売れるようになった。

栁下社長は、鮮魚店「角上魚類」を22店舗をもつ一大専門小売店まで育てあげられましたが、そこまでに貫いてきた方針として、「鮮度は良いか!値段は良いか!配列は良いか!態度は良いか!」という四つの良いを強調されました。店に来られるお客様に喜んでもらうために、これだけは守ろうという基本原則として、鮮度、価格、配列の他、ありがとうございましたという感謝の気持ちがなければならないと力説されました。

セミナー終了後、ご参加いただきました皆様からは、「時代が流れても基本をしっかりと守り応用しているお姿に感銘を受けた」、「いつの時代も根本にあるにはお客様本位で考えている。とても熱意を感じた」などと多数のご感想が寄せられました。

ご参加の皆様、またご感想を寄せてくださいました皆様、ありがとうございました。

 「"海と生きる"連続水産セミナー第4回目」につきましては、現在、気仙沼市とともに計画中であり、詳細が決まり次第改めて三陸サテライトホームページ内にてご案内申し上げます。

 本学では、今後も様々な機会を通じて地域に貢献できる取組を行ってまいります。今後とも皆様からのご支援とご協力をお願い申し上げます。

講演の様子 IMG_2059.JPEG  
                                                                                            

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