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【出前授業】気仙沼市立階上小学校で「出前授業」を行いました

2023年12月 1日

 令和5年11月28日(火) 、気仙沼市立階上5年生27名を対象に、本学山川紘客員研究員が「日本近海の海流と世界の海流」をテーマに出前授業を実施しました。

 授業では、山川先生から「川の中に住んでいる魚たちは増水して、水流が激しくなった時に流されると思いますか?」と児童たちに質問が出されました。その答えは、『流されない。』です。理由は、水の流れには、海流と反対方向に流れる「反流」が常に流れていて、魚たちは、その反流を見つけながら、水流が弱くなる岩陰やテトラポッドや川岸などの水流を凌げる場所に身を潜めているからです。と解説しました。

 次に山川先生は、風と海流の関係をお話ししました。三陸沖でぶつかる、黒潮(暖流)と親潮(寒流)は、東から吹く貿易風と西から吹く偏西風の影響を強く受けていて、近年の地球温暖化の影響で親潮の勢力が弱くなり、逆に黒潮が強くなっていることから、潮目が北上しているので、気仙沼では、暖水系の魚(タチウオやアカムツ、イワシ等)が増えていることを説明しました。

 最後に、山川先生から黒潮の勢力が強い環境では、海水温の温度が上がり、海藻がなくなってしまう「磯焼け」が発生していることについて触れ、地域の漁業者さんと一緒に「アラメを活用した藻場を再生させる取り組み」を進めていることを説明した上で、実際に一人ずつ、アラメの遊走子を顕微鏡で観察しました。

 児童たちは、「海流」は「風」の影響を受けて、東から西に向けて海流が発生すること、また、地球温暖化の影響を受けて、海水温が上がり気仙沼地方でも獲れる魚が変わっていること、更に、地球温暖化対策として、地域の漁業者さんたちの取り組みを知り、環境を守るために必要なのことについて積極的に学ぼうとする姿がありました。

 三陸サテライトでは、今後も地域の海洋教育活動に支援して参ります。

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