GREETING学長挨拶
東京海洋大学は、国立大学法人としての第4期中期目標期間を迎えるにあたり、2022年3月に「ビジョン2040」を策定しました。2040年は、我が国において少子高齢化がピークを迎え、持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラルなど、地球的規模の社会変革が求められる時期と重なります。そのような誰もが想像し難い未来に向けて、「ビジョン2040」は本学の進むべき方向性を示すものであり、その行動計画「アクションプラン」が同年6月に、学長直轄の経営企画室において策定されました。今後は、「ビジョン2040」を着実に達成するために、各年度の実施計画「ロードマップ」に従って、全学委員会等において進捗管理を行っていきます。
皆様に本学をより深く知って頂くために、最近の実績を以下にいくつかご紹介します。
「大学の世界展開力強化事業」として日中韓で実施してきたOQEANOUS(Oversea Quality-assured Education in Asian Nations for Ocean University Students)プログラムが、文部科学省による最終評価において最も優れた"S評価"を獲得したことをうけ、2021年11月に「持続可能な海洋開発?利用を実現する高度専門職業人養成プログラム ― オケアヌスプラス ― 」が採択されました。進行中の3つの国費外国人留学生の優先配置特別プログラム:「アジア海事大学連携による持続的なカーボンニュートラル実現に資する人材育成プログラム」、「国際魚介類感染症防疫中核拠点人材育成プログラム」、「海洋産業イノベータ育成プログラム」と併せて、本学のグローバル教育研究を支える事業として力強く推進されています。
また、「コロナ禍による船舶の集団感染や魚介類の価格低迷等の課題を解決に導く海洋研究手法のパラダイムシフト」が2021年度国立大学改革強化推進補助金(国立大学経営改革促進事業)として採択されました。これに伴い、共同利用機器センターを産学?地域連携推進機構に統合するとともに、研究設備?機器の共用を促進するためのオープンファシリティーシステムを導入しました。
また、2023年度予算では、教育研究組織改革分として「海の研究戦略マネジメント機構(仮称)」の創設(2026年設置予定)が認められました。産学?地域連携推進機構や研究推進委員会などを整理?統合し、海洋分野の新たなイノベーションを創出する司令塔として、本学の研究を一貫してマネジメントする全学的組織を構築していきます。
一方で、教育研究施設については常に良好な状態に維持管理される必要があるため、中長期的キャンパス整備指針「キャンパスマスタープラン2022」を取りまとめました。このプランに沿った整備を着実に推進し、海洋の未来を拓くイノベーション?コモンズとして魅力あるキャンパスの創出に努めていきます。
さらに、科学技術振興機構(JST)の「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業」として採択され、岩手大学および北里大学と共同で実施してきました「水産海洋イノベーションコンソーシアム」(実施期間:2014 ~ 2021年度)の事後評価において、水産海洋分野の研究支援人材「イノベーションオフィサ(IOF)」の育成に関する取組が高く評価され、”総合評価A”を獲得しました。
これからも、東京海洋大学は、2つのキャンパス、5つのステーション、3隻の練習船、2隻の実習艇を効率的に活用し、海洋に関する最先端の「科学」と「技術」 ( Marine Science and Technology) を身に付け、グローバルな視点で海洋の未来を切り開く逞しい人材を養成してまいります。
令和5年4月1日
国立大学法人東京海洋大学長
井関 俊夫
国立大学法人東京海洋大学長
井関 俊夫